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Yahoo! Japan広告に関するディスプレイ広告(運用型)の新規設定項目の提供開始

2021年10月21日、Yahoo! Japan広告のリリースノートページより、同月20日に広告の新規設定項目の提供開始、およびその他機能改善が実施された旨の発表がなされました。

この改善により、今までリンク先URLごとにトラッキングURLを設定するなど、広告作成に工数が必要​​だったものが、各階層でトラッキングURLの設定ができるなど広告運用の工数削減による広告管理の効率化が見込めるようになりました。

当該リリースについて詳しくみていきます。

 

変更内容について

今回の主な変更点はリンク先URL形式を変更し、遷移先URLとトラッキング用URLを別項目で管理できるようになった点です。これまではリリース前は「リンク先URL」「表示URL」の入稿が必須でしたが、リリース後は新設される「最終リンク先URL」の入稿が必須となります。また、スマートフォン向けURLやトラッキング用のURL、カスタムパラメーターを設定する項目も任意で追加することができるようになっています。

 

より詳しくみていくと、

①新しい設定項目の追加

②最終リンク先URL・トラッキングURLのテスト機能

③上位エンティティの審査

④リリース前後のレポート仕様

これら4つが挙げられます。

 

以下で、1つずつ見ていきましょう。

 

リンク先URL形式の変更および新しい設定項目の追加

リリース前は「リンク先URL」「表示URL」の入稿が必須でしたが、リリース後はリンク先URLは廃止され、新設される「最終リンク先URL」の入稿のみが必須項目となります。表示URLについては、最終リンク先URLより自動生成されます。

 

最終リンク先URLから表示URLが自動生成されることにより、表示URLとリンク先URLが一致しておらず、ユーザーが想定していなかったサイトに誘導されることを防止し、広告市場健全性向上に繋がります。

 

そのほか任意の項目として、最終リンク先のスマートフォン版であるスマートフォン向けURL、各種計測を行いたい場合に設定するトラッキングURL(広告クリック時にトラッキングURLに遷移します)が設定されていた場合、最終リンク先URL、トラッキングURLにパラメータを付与する場合、任意で設定可能なカスタムパラメータが挙げられます。

 

この設定項目は、上位のエンティティで設定した内容が、下位のエンティティにも有効となります。例えば、「アカウント→キャンペーン→広告グループ→広告」という流れだった場合、上位である「アカウント」にトラッキングURLを設定した場合、その下の「キャンペーン」にもアカウントの設定内容が、「広告グループ」にはキャンペーンの設定内容が有効となります。なお、下位でも同項目の設定がある場合には、下位の設定が優先されます。

 

このように各種計測を行う場合、トラッキング用URLを上位エンティティでまとめて設定可能にするなど、パラメータ管理を簡単にすることで 運用者の運用工数削減に繋がるといえますね。

 

ちなみに、今回のリリースで現在利用可能なトラッキング用パラメータに加え、「{lpurl}、{lpurl+2}、{lpurl+3}、{unescapedlpurl}、{escapedlpurl}という5つのトラッキング用パラメータも利用可能となりました。

 

最終リンク先URL・トラッキングURLのテスト機能

広告管理ツール上のアカウント/キャンペーン/広告グループ/広告設定画面の「URLをテストする」をクリックすると、入稿した最終リンク先URL、もしくはトラッキングURLが正しい情報となっているかどうかを確認することができます。このため不正確な情報や誤ったURLの添付等を防ぐことができます。

 

ただし、あくまでテスト機能ではページへの遷移可否についてのみのチェックとなるため、ポリシーに抵触している場合やその他の懸念がある場合には配信不可となる可能性があるので、その他のチェックを怠らないよう注意しましょう。

 

なお、テストするエンティティの配下にある広告のうち、テスト機能で表示されるURLは最大10件までです。10件以上ある場合は、その中から10件抽出されて確認されます。

 

上位エンティティの審査について

アカウント/キャンペーン/広告グループでトラッキングURLの設定、変更を行った場合も審査が行われます。これにより、上位エンティティで設定した内容が適用された状態でドメインの不一致、リンク切れなどが発生していないかを確認します。一定期間内に修正されているかYahoo! Japan側のシステムで確認し、修正されていれば承認され、修正されていない場合は、審査否認となり配信停止になる場合があります。

 

上位エンティティの設定に1件でも不備があった場合には、変更対象配下の広告全てが審査で否認となる場合があるため注意が必要です。また、上位エンティティの審査について、審査のタイミング等により、同一エンティティ配下でも審査結果が異なる場合もあります。

そのほかに、上位エンティティの審査が承認された場合でも、その他広告掲載基準に抵触している場合には該当の広告は審査で否認となるため、確認は必須です。

 

その他注意点

その他本リリースに関する注意点をお伝えします。

まず、キャンペーン目的がアプリ訴求の場合、スマートフォン向けURLの設定はできないため注意が必要です。また、アプリ訴求目的、かつiOSが配信対象の場合には、「SKAdNetwork計測」の項目が追加され、新たに入稿する際は項目の設定が必須となります。なお、すでに入稿されている場合には、入稿されたURLから判定されたポストバック先ツールが自動的に新しい設定にも反映されます。「ポストバック先ツール」と「トラッキングURL」に異なる効果測定ツールを設定した場合、効果測定ツール上のレポートでは計測不可となりますのでご注意ください。特に利用中の広告効果測定ツールを変更する際は、必要に応じて両設定を変更することが重要です。

 

その他、最初に作成した広告のURLがappストアなど広告効果測定ツール以外のURLだった場合、該当キャンペーン内では広告効果測定ツールのURLを設定した広告は作成不可となっています。

 

旧形式から新形式へ

最後に、すでにディスプレイ広告(運用型)を利用している方へ、旧形式から新形式の移行スケジュールを簡単にお伝えします。

 

旧形式は2022年6月頃に提供終了予定です。新形式への移行期間として、6カ月程度の並行運用期間が設けられていますが、早めに取り組まれることをお勧めします。2021年10月20日から「新形式(最終リンク先URL)の入稿開始」に始まり、2021年12月を目途 に「データ変換機能の提供開始」、2022年5月頃「リンク先URLを利用している広告の強制変換開始」、2022年6月頃「リンク先URLの提供終了」と続きます。

 

細かな点がいくつか変わり、以前からディスプレイ広告(運用型)を利用していた方にとっては移行手続きをする必要が出てきた今回のリリース。少し手間はかかりますが、広告市場健全性向上や運用効率化につながる大きなメリットもあるため、積極的に取り組んでいきましょう。

 

 

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