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リスティング広告とは?メリット・デメリットから読み解く

近年主流な広告手法となり、年々成長を遂げているリスティング広告。そもそもリスティング広告とは何なのか、導入した方が良いのか、メリット・デメリットの観点から解説していきます。

 

 

リスティング広告とは

リスティング広告とは、検索連動型広告とも言われ、検索エンジンにて検索したキーワードに応じて、検索結果の上部に表示される広告を指します。代表的な例としては、Google広告やYahoo!広告が挙げられます。同じく検索結果の上位に表示させるマーケティング手法として、SEO(検索エンジン最適化)がありますが、リスティング広告と比較すると、SEOは効果が出るまでにかなり時間がかかると言われています。2021年7月現在、日本における検索エンジン市場における割合(「statcounter日本の検索エンジン市場シェア」参照)を見ると、Googleが77.05%、次いでYahoo!が19.22%を占めており、合わせて90%を超えています。この二媒体を活用すれば日本の大半の検索ユーザーにアプローチできるといえるでしょう。インターネット広告には、リスティング広告の他にも、ディスプレイ広告やビデオ広告等様々な種類がありますが、その構成比率を見るとその割合には大きな差が生じています。

 

 

リスティング広告の現状

では次に、リスティング広告の現状について説明していきます。

 

電通グループが発表した「2020年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」(参照)によると、日本の総広告費6兆1594億円のうち、リスティング広告等を含むインターネット広告媒体費が1兆7567億円と全体のうちの約28.5%を占め、毎年成長を続けています。

 

また、インターネット広告媒体費のうち38.6%をリスティング広告、次いで32.6%をディスプレイ広告が占めており、リスティング広告は主流な広告手法で、2022年も引き続き成長が続くと予想されていることから、より効果的なマーケティング施作を実施するために、リスティング広告について理解を深める必要があるでしょう。

 

 

リスティング広告の運用方法

リスティング広告の運用方法は、「(1)アカウントの作成、(2)広告の作成、(3)キーワードの作成、(4)ターゲット機能の設定、(5)費用の設定、(6)広告掲載、(7)分析・改善」というのが大まかな流れです。リスティング広告は手軽に試せる反面、日々の細かいメンテナンスや工夫が必要です。ユーザーの視点にたって広告作成を行い、CV発生に繋げましょう。

 

 

 

リスティング広告のメリット

リスティング広告を検討するにあたり、そのメリットとデメリットの観点から考えていきます。

 

まず、リスティング広告には6つのメリットが挙げられます。

 

 

(1)顕在層に配信ができる

リスティング広告最大のメリットとして、顕在層にダイレクトに広告を配信できる点が挙げられます。顕在層とは、自分自身のニーズを把握しており『このような商品がほしい』との意図をもって検索しているユーザーを指し、次の段階の商品購入に繋がりやすく明確なニーズに合致するキーワードを設定することで、比較的高い確度でコンバージョンが期待できます。

 

(2)低予算からでも実施可能

新聞広告など広告媒体によっては数百万円からかかるものもありますが、リスティング広告の場合は自分自身で広告費用を管理することができ、あらかじめ設定した1ヶ月の予算を超える費用がかかることはありません。必要に応じていつでも予算変更や広告掲載の停止も可能で、自分自身の状況に沿ったより柔軟な広告設定が可能です。

 

また、料金はユーザーが広告をクリックしてサイトへの訪問や問い合わせの電話などに繋がった場合のみに発生するため、効果に繋がらない無駄な出費を抑えることができます。ただし、予算としては30万円程度は用意しておくのが望ましく、結果を比較する場合にある程度の運用データが無いと分析精度も落ちるため、成果までしっかり追うにはある程度の予算取りが必要となります。

 

(3)運用レポートから広告の成果がわかる

広告が掲載された順位や掲載順位などを簡単に確認でき、広告経由での問い合わせや商品購入行動など広告効果を確認することが可能です。そのため、他の広告に比べ比較的PDCAのスピードを担保しやすいという利点があります。

 

(4)検索結果の上部に表示される

自然検索より上部に広告が表示されるため一番最初に目に入りやすく、より注目されるような広告文にすることで、高い集客力が見込めます。

 

(5)ターゲット設定でコンバージョン率の増加を見込める

より効果的な広告とするためには、適切なユーザーに適切なタイミングで表示させることが必要不可欠です。リスティング広告ではターゲット機能の設定により、より効果的なアプローチ、コンバージョン率の増加が見込めます。広告の配信地域指定や配信日時指定など細かい設定ができることも特徴です。例えば平日の効率が悪く土日が良いという傾向がある場合、平日の広告を停止し土日に絞って展開することで、費用対効果を高めることも可能となります。

 

(6)簡単な手順で作成、実施が可能

作成から実施まで、Google Yahoo!ともにわかりやすい手順で申込設定が可能です。設定が完了し承認されればすぐに配信開始となるので、他の広告と比べると比較的短時間で配信できます。スピーディーに施策を進めたい場合に適した広告手法と言えるでしょう。また、他の広告の場合一度掲載すると変更ができない場合も多いですが、リスティング広告の場合状況に応じて広告文の内容やキーワードをすぐに変更できるため、より柔軟な対応も可能です。

 

 

リスティング広告のデメリット

メリットが多い一方、デメリットもいくつか存在します。以下の3つが挙げられます。

 

(1)潜在層へのアプローチが弱い

検索したキーワードに応じて検索結果に表示される特性上、そもそも設定したキーワードを検索しないユーザー・ニーズが高いとまではいえないユーザー等には表示されず、潜在的な顧客の掘り起こしには不向きといえます。

 

(2)ある程度の費用が必要な場合もある

費用設定が自分自身でできるというメリットはありますが、広告予算が少なすぎると効率的に成果を得にくくなることもあり、競合企業も同じキーワードで設定していた場合は、競合企業よりも多くの広告費用を投じなければならないこともあります。このように設定するキーワード等によってはある程度費用が必要になってくるため、効果的な広告にするためには余裕をもった予算設計を検討した方がよいでしょう。

 

(3)分析・運用に手間がかかる

リスティング広告は必要に応じて、広告効果の分析・より効果のあるキーワードの検討・ターゲット層の変更の有無等、広告運用開始後も様々な事柄を把握・検討する必要があります。また、広告領域だけではなく事業全体を鑑みた運用が求められるため、広告を配信する商材や業界特有の知識も必要です。売上に直結しやすい分、常にアプローチ方法を模索していくことが重要なポイントと言えます。

 

 

リスティング広告の費用

施策を検討する上で、費用面も非常に重要なポイントです。

 

リスティング広告の費用は、自分で自由に設定できるのが特徴で大きな魅力です。比較対象として、手軽に始められそうなアフィリエイト広告は、費用をかけてCV数を稼ぎたい場合や逆に急遽出稿を止めたい場合、アフィリエイターの動きに左右されることがデメリットになります。また、スマートニュースなどの個別メディア系の広告媒体は、トップ面や起動面に掲載するには最低出稿額が数百万円かかりますが、先払い契約のため成果がゼロでも費用が丸々かかってしまうというリスクがあります。テレビ広告なども、一般的に100万円単位からの出稿となることと、費用対効果が計測しにくいことが大きなデメリットです。

 

費用を考える際、広告代理店へ運用を依頼するのかも検討要素の一つです。先ほど触れたように、効果的な広告を行うためには、それに見合う検索キーワードを設定することがポイントで、キーワード設定を精度高く行うためには、ユーザーの検索動向を調査して効果的なキーワードを分析する必要があり、一連の調査分析は相当な時間を要します。また、分析改善していく中で、より自分たちにメリットとなるようにコントロールしていくことも難易度が高く、リスティング広告の知見が必要です。このような点を解決する方法として、広告代理店等のプロに頼ることを検討してみるのも選択肢の一つとして検討した方が良いでしょう。ただし、広告代理店へ運用を依頼する際は広告費と別で運用代行手数料が発生するため、そういった予算を鑑みた上で決定する必要があるため注意が必要です。

 

 

まとめ

新型コロナウイルス拡大の中でも、成長を続けるリスティング広告市場。各検索エンジンでも、出稿を行いやすい広告申込みの運用が進んでいます。より多くのターゲットに届けるという観点で、リスティング広告はその目的に資する最適な方法の1つといえるでしょう。自社がどのように施策を執り行いたいのか等、リスティング広告のメリット・デメリットを踏まえて検討していきましょう。

 

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