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広告運用が上手くいかない人のための運用思考の身につけ方

インターネットやアプリを用いた広告配信は、今や企業にとってなくてはならないものとなりました。ただし成果を得るためには、ただ単に広告を作れば終わりというわけではなく、その後の運用が非常に重要です。これが上手くいかなければ、広告を作った労力がすべて無駄になると言っても過言ではありません。本稿では、この広告運用を行う際に土台となる運用思考について解説していきます。

 

 

運用広告が伸び悩む原因

GoogleやYahoo!JAPAN、LINEなどのアプリといった広告を出稿できる媒体が増え、誰でも気軽に広告が出せるようになりました。もっとも、出すこと自体は簡単になったとはいえ、単に出すだけでは真の広告効果が発揮されたとは言えず、その後の運用がかなり大事なポイントになっています。しかしながら、この広告運用部分が伸び悩み、頭を抱える人も多いのではないでしょうか。

 

まず大前提として、適切なターゲティング設定やクリエイティブが作成されてある必要があります。これらを見直すだけでも大幅に変わりますので注意しましょう。それでも結果が出ない、伸び悩んでいるという方は、『その広告を出す目的は何か』を的確に設定できていない可能性があります。

 

広告運用では一般的に、ROAS(投下した広告費でどれくらい売上が得られたか)やCPA(1回の目標達成に要した広告費)、CVR(コンバージョンに至った割合)などといった指標が使われています。この数値設定がまず問題の1つになっています。

 

具体的な数字を定める際、過去の自社実績を上回るような設定にしていることも多いのではないでしょうか。しかしながら、広告運用の指標として扱われるCPCやCPA、CVRなどには、実現可能な限界値があります。そのため、限界値について考慮せずに具体的な数値目標を作ってしまうと、広告施策にどれだけ注力しても目標は達成できません。

 

また、クライアントを相手にしている方の場合、必ずしも指定した数字に根拠があるわけではなく、クライアントの本当の要望と合致していないこともままあります。このように、伸び悩みの原因は、目標設定自体に誤りがあることが考えられます。

 

 

具体的数字を根拠にする

上記の原因を解決するためには、まず自社やクライアントの『目的』を見極めることが非常に重要です。

 

例えば、クライアントから広告運用について相談された場合、単にクライアントが出す数字を聞くと、クライアントが思っている数字感と実際の数字にずれがある場合もあります。『なぜこの数字なのか』、『何をどのくらい売りたいのか』といった部分からヒアリングをし、クライアントのビジネスモデルを把握することがポイントです。丹念にヒアリングし、クライアントの意図や思いを汲み取ることが鍵となります。

 

クライアントの意図やビジネスモデルを把握したら、具体的な数字に落とし込んでいきましょう。前年度の実績や、商品の利益率、CPCの相場など様々な数字を根拠にしていきます。このように分解して考えていくと、クライアントが打ち出したい商品の中でも、利益率が異なるものがあることがわかったり、それによって利益率に応じた商品カテゴリごとに最適なROAS目標を設定して運用した方がよいことがわかります。そのクライアントの目的に沿った提案が可能となり、実績と改善策を提示することで論理的な提案ができるでしょう。アナリティクスや広告運用レポートなど、クライアントからできるだけ様々なデータを開示してもらうようにしましょう。

 

 

出稿する媒体

次に出稿する媒体・メディアを選定していきます。

 

ここでキーワードとなるのが『成功可能性』と『新たな媒体への挑戦』。まず『成功可能性』とは、目標数値を達成できる可能性を指します。各メディアには特性があります。例えば、10代向けの商品を扱っているなら、10代の利用率が高いTikTokを媒体にすると目的のターゲットに届きやすくなります。ユーザーとの相性であったり、より安価で集客できるメリットを持つこと、動画クリエイティブに特化したものなどが挙げられます。クライアントの過去の運用実績や他社の事例を参考に、商品の性質やターゲティング、プロモーション目的と各メディアの特性を活かして、『成功可能性』を考えます。

 

次に『新たな媒体の挑戦』とは、ユーザーの減少に伴う媒体変更の必要性を指します。例えば、『メルマガ配信登録者数の増加』をプロモーション設定の目的としていた場合、極端に言うと、そこの媒体にいるユーザー全員が登録をしてしまえば、もうその媒体で広告する意味はなくなります。このため、ROASなど効率化の指標を達成する見込みが高くとも、ターゲットとするユーザー自体が少なくその影響が少ない場合は、労力をかけてまで実施する必要性に乏しいといえるでしょう。

 

また一方で、それなりにユーザー数の多い大規模なメディアを使った場合でも、長期間広告を出すことでユーザーの広告に対するインパクトが下がったり、飽きられてしまうなど、当初と比べてその影響力は小さくなっていくと考えられます。リーチ層を広げてみるなど常に新たなチャレンジをしていくことが必要です。

 

『成功可能性』と掛け合わせてバランスが取れたメディアを選ぶように心がけましょう。

 

 

終わりに

具体的数字をもとに目標を設定することは運用広告の基礎にもなるため、非常に重要です。CPAは〜円くらい、ROASはこれくらいなど自社で決めた数字が何に基づくものなのか、改めて調べて見ましょう。考えていた数値と実際の数値のズレがあるかもしれません。

 

また、今使っている媒体があるなら、それが本当に自社にとって効果的な影響を及ぼしているのか、長期間経っているものがあれば、今のパフォーマンス的に影響力が下がっていないか検証していく必要もあるでしょう。土台の見直しをすることで、最適なターゲティング、最適なクリエイティブを活かして、目標達成をしていきましょう。

 

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