Facebook広告やその他SNS広告に見る強みと最近の傾向
SNS広告は、企業の広告運用においてなくてはならない存在となっており、今や数多くの企業がSNS広告に取り組んでいます。
企業は今持っている知識を活用していくことはもちろんですが、SNSプラットフォーム自体日々進化を遂げています。SNS運用の知識やノウハウについて日々ブラッシュアップする必要性が生じており、常に最新の情報を収集することは不可欠といえるでしょう。
これらを踏まえ、今回はSNS広告について、主要なプラットフォームごとにその強みと最近の傾向を解説します。
Facebook広告
2021年12月時点における世界の月間アクティブユーザー数が29億1000万人を突破したFacebook。国内の月間アクティブユーザー数は2,600万人(2019年3月時点)と、同じ米国運営会社Metaの傘下にあるInstagramの3300万人に比べると少ないですが、もっとも利用者が多いのは利用者の半数近くを占める30代、次いで40代となっており、Instagramとは異なる利用者層からの支持を得ている点に特徴があります。
また、当初から実名登録制を基本として、コミュニティや知り合いとの繋がりを拡大することができるサービスを展開しているため、他のSNSと比べて信頼性の高いターゲティングが可能となっています。さらにFacebook広告の場合、Facebook内のフィードに表示するだけでなく、ストーリーズやインストリーム、InstagramやMessenger、Audience Networkにも表示させることが可能です。画像や動画など多くのクリエイティブに対応している点も魅力です。
最近では、自社キャラクターに焦点を当てたFacebook動画広告でブランドエンゲージメントを向上させたり、商品の購入やWebサイトへの誘導などコンバージョン獲得のためにFacebook広告を利用する企業が増加傾向にあります。しかしながら、それに伴いほとんどの業種で入札単価が上昇傾向にあり、コスト増加の懸念が大きくなっているのも事実です。そこで、Facebook広告に備わっているコンバージョン最適化等改善のための仕組みを活用していくことが重要です。
Facebook広告の仕組みと活用方法
まずFacebook広告には、例えばユーザーから広告に対してネガティブなフィードバックがあると、その広告は悪いものと評価されてインプレッション単価(CPM)が上昇する傾向にあり、逆に良い広告と評価された場合はCPMが低下し安くなる仕組みがあります。企業としては、いかに魅力的なクリエイティブを作成するかに注力する必要があります。
そしてクリエイティブや広告グループが最適か否かは、条件を変更した複数の広告グループを作成することで確認することができます。すなわち、Facebook広告では、目的に応じたキャンペーンの作成や、詳細なターゲット設定、期間や予算の設定等詳細に条件を設定できます。例えば、設定を少しずつ変えたコンバージョン獲得を目的とした広告グループを複数作成することで、どのタイプの広告が優れたものか、コンバージョン率や平均クリック単価を測定し、顧客獲得単価等を比較することで判断可能となります。
その他、「広告マネージャ」の広告セットで「広告配信への最適化」というシステムがあります。「広告配信への最適化」を選択すると、広告主が選択した最適化に基づき、配信システムが機械学習を利用して、各広告のパフォーマンスの向上を図ります。ただし、コンバージョンの最適化を図りたい場合、そのために必要な情報を収集するにはある程度の時間とコストが必要となるため、十分な額の予算を用意しておくよう注意しましょう。
Instagram広告
Facebookと運営会社が同じInstagramは、広告マネージャでFacebookとInstagramの両方に広告キャンペーンを展開でき、かつFacebook広告と仕組みが共通しているので運用しやすい点が強みです。
Instagramはいわゆる映える写真や動画等のビジュアル重視傾向にあり、その利用者は女性の比率が高いことからファッション等の企業に支持されてきました。しかし、近年では自社のECサイトへの導線を作れる広告メニューができたことから、幅広い業界で利用されるようになってきています。
Facebookと紐づくことでデータに基づく精密なターゲティングができる点もメリットです。広告の課金は予算と掲載期間に応じた予測リーチ数を参考に運用や改善が可能となっているため、この仕組みも利用のしやすさの後押しになっているといえるでしょう。
LINE広告
月間の利用者数が約8,900万人、アクティブ率が85%(2021年11月時点)を誇るLINE。どのSNSよりもユーザー属性が広く、10代から50代までの利用率が8割を超え、それ以降の年代にも幅広く利用されています。このため、普段その他のSNSを使用しない層にもアプローチできる点が特徴です。
運用型広告の場合、インプレッション単価等を抑えられるため、まずは少額から試してみたいという企業におすすめです。また、広告メニューはタイムラインやニュース、マンガ等種類が豊富で、多彩な配信が可能となっているのも利点です。
但し、LINE広告は一般のWeb広告に比べ審査が比較的厳しい傾向にあり、一部の業種・業態が掲載不可となっている場合もあるので、事前にLINEの公式サイトを確認しましょう。
TikTok広告
近年公式アカウントを持つ企業が増える等、注目を集めているTikTok広告。Bytedance社が運営する「TikTok」は、世界各国で利用されているモバイル向けショートムービープラットフォームです。10代・20代前半の若年層(いわゆるZ世代)の利用者が圧倒的に多いのが特徴です。
TikTokは音楽と動作を組み合わせてみんなが共有したくなるような動画がバズりやすいなど、ユーザーを巻き込んだ投稿にすることが非常に重要といえます。例えば、最近ではよく#チャレンジなどのハッシュタグを用いたコンテンツ生成型の広告が見受けられます。
TikTokには「最新情報をチェックしたい」「商品やサービスについて知りたい」といった積極的なユーザーが多く、効率よく成果に繋げられる可能性があります。また、TikTok動画はTwitterやInstagramでも拡散可能なため、ユーザーの興味を引く広告が出せれば、ユーザーの手でこれらSNSでの拡散が期待できる点もメリットです。広告費用についてはメニューにより大きく異なりますが、他のSNS広告に比べ基本的には高めです。例えば、インフィード広告の場合、42万円から広告を出すことが可能で、相場は50万円ほどです。Z世代向けの商材を扱う企業には特におすすめです。ユーザーに楽しんでもらうための広告作りが鍵です。
終わりに
ここ数年でSNS広告も発展を遂げています。利用者層等に特徴があるため、よりターゲティング精度の高い広告を打ち出すことができ、SNS広告を選択肢の一つに加えてみてもよいでしょう。自社の商材・サービスの特徴を考慮し、成果に繋げましょう。